ねる

ねる
I
ねる【寝る】
(1)「眠る{(1)}」に同じ。

「ゆうべはよく〈ね〉た」「人の〈ぬる〉味寝(ウマイ)は〈ね〉ずて/万葉 3274」

(2)寝床に入る。 床(トコ)につく。 就寝する。 (ア)睡眠や休養のために寝床に入る。

「もう〈ねる〉時間ですよ」「〈ねる〉前に歯を磨く」(イ)病気で一日中寝床にいる。 寝こむ。 病床にある。 「風邪で〈ね〉ている」「まだ〈ね〉たり起きたりの状態です」

(3)異性と同衾(ドウキン)する。 共寝する。

「女と初めて〈ね〉た」

(4)横たわる。 (ア)人が横たわる。

「〈ね〉て本を読む」(イ)本来立っている物が横になる。 「台風で稲が〈ね〉てしまった」「活字が〈ね〉ている」

(5)資金や商品が活用されない状態にある。

「〈ね〉ている資金を投資に回す」「〈ね〉ていた商品を安く売る」

(6)味噌(ミソ)・醤油(シヨウユ)・酒などがよく仕込まれた状態である。
寝た子を起こす
(寝ている子供を起こしてむずからせるように)一応おさまっている物事をことさら騒ぎたてて, またもつれさせる。
寝ても覚(サ)めても
寝ているときも起きているときも。 いつも。

「~恋しい人の面影が離れない」

寝よとの鐘(カネ)
人々に寝る時刻であることを知らせる鐘。 亥(イ)の刻(午後一〇時頃)に打った鐘。 初夜の鐘。

「夜は~鳴りて次第にふけ行く程に/浮世草子・織留 6」

寝る子は育つ
よく寝る子は丈夫に成長する。
II
ねる【練る・錬る・煉る】
※一※ (動ラ五[四])
※一※(他動詞)
(1)餡(アン)などを火にかけて, こね固める。 《練・煉》「餡を~・る」
(2)膏薬(コウヤク)・糊(ノリ)・土などをこねまぜてねばらせる。

「粘土を~・る」「御飯つぶを~・って糊にする」

(3)繊維を灰汁(アク)などで煮て柔らかくする。 《練》「生糸を~・る」
(4)金属を焼いてきたえる。 《練・錬》「鉄ヲ~・ル/ヘボン(三版)」
(5)よりよいものとするために十分考えて修正を加える。 《練》「よく~・られた文章」「構想を~・る」「対策を~・る」「想を~・る」
(6)学問・技芸などを練磨する。 修養・経験などを積む。 《練・錬》「技を~・る」「精神を~・る」
(7)皮を撓(イタ)める。 なめし革にする。 《練・煉》「皮を~・る」
(8)ひねる。 ねじる。

「焼大刀の手(タ)かみ押し~・り/万葉 1809」

(9)木の枝や蔓(ツル)などをたたき柔らかくして曲げる。

「かの岡に萩かるをのこ縄をなみ~・るやねりそのくだけてぞ思ふ/拾遺(恋三)」

※二※(自動詞)
(「邌る」とも書く)
(1)列をつくって, ゆっくり進む。

「提灯行列が大通りを~・って行く」

(2)あっちへ行ったりこっちへ行ったりして進む。

「みこしが街中(マチナカ)を~・って行く」

(3)静かに歩く。 ゆっくり歩く。 おもむろに行く。

「銀(シロガネ)の目貫の太刀をさげ佩(ハ)きて奈良の都を~・るは誰が子ぞ/神楽歌」

‖可能‖ ねれる
※二※ (動ラ下二)

Japanese explanatory dictionaries. 2013.

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